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翻訳の見積もりについて

2011-11-30 21:19:00

翻訳を外注する場合企業にしてみると、安ければ安いほど都合がよいというのが本音だろう。しかし、それを商品として扱うエージェントにしてみれば、翻訳とは実にお金がかかる仕事なのだ。まずは営業担当の社員が企業から仕事をとってくる、次にはコーディネータがそれを受け取り、適切な翻訳者に納期を指定して発注する、戻ってきた翻訳をまたコーディネータが管理して、校閲者、またはチェッカーに廻し、必要とあれば、ネイティブチェッカーにも廻し、オペレータに廻す。その社員やスタッフすべてに賃金を払わなければならない。翻訳の見積もりはこの過程を考えて出される。

したがって、翻訳者の立場からすれば、実に割の合わない仕事と言えるだろう。何しろ、エージェントから来る仕事は、レートが低ければ低いほど歓迎されるわけだし、品質はよくて当たり前、少しでもクライアントに不満があれば二度と仕事は廻してもらえなくなってしまう。品質の良い翻訳者にしてみれば、譲れない線のレートがあるだろう。どうしても品質重視の翻訳であればその翻訳者に仕事がいくだろうが、そこそこのレベルであればいいということであれば、レートの高い翻訳者にはあまり仕事がいかなくなる。翻訳の見積もりが高くなるからだ。

そのため、「あまり安いレートで仕事を引き受けてはいけない、それで食べている翻訳者の足を引っ張ることになる」という人もいるが、これはこれで随分勝手な言い分だ。人それぞれ事情があるのだから、このようなことは言ってはいけないと思う。私はエージェントに勤めていたこともあるし、発注する側の企業に勤めていたこともあるし、現在はフリーの翻訳者でもあるので、それぞれの立場が分かっているつもりだ。企業の場合、翻訳の見積もりは、3社くらいに出させて一番安いところに決めるというパターンが多い。これは翻訳業界に限らず、どこの業界でも似たりよったりであろう。エージェントの方もそれがよくわかっているから、コストを出来るだけ抑えようとするわけだ。